囚人のジレンマ
SCP理論とは? (Sはストラクチャー:業界構造、Cはコンダクト:事業活動、Pはパフォーマンス:業績)つまりは外部分析により、自社の商売の立ち位置を考えることでした。
一方、RBV理論とは? (Rはリソース:社内資源、社員、設備、文化、取引関係等、Bはベース:土台、Vはビュー:見ること、繋げると)つまり、社内の資源を土台として、やり方を考えること。
これらは外部分析と内部分析として大きな分析のやり方となっているこを数回に渡って書いて来ました。
さて、古典的な経営論にはもう一つ、忘れてはならない(でも、意外に正式に習っている人も少ない。企業コンサル、技術経営大学では、ほぼ、教えてくれない・・気のせいか?)古典的な理論がもう一つあります。
それが「ゲーム理論」と呼ばれるものです。これから数回に分けてこの「ゲーム理論」の説明をして行きたいと思っています。
ゲーム理論は1944年に数学者J.F.ノイマンと経済学者O.モルゲンシュテルンによる著書「ゲーム理論と経済行動学」にて誕生します。
ここで知っていて欲しいのは、経営学者ではなく、数学者と経済学者が作った理論であることです。一般的に経営学とは主に経済学、社会学、心理学を基本に流用、転用された理論であり、経営学の独自理論は”ない”とまで言われています。
ゲーム理論の中でも一番有名なのが「囚人のジレンマ」と言う例え話です。(シュレディンガーの猫に近い話かもしれませんが、こちらは理論物理学なので、記載は致しません)
あるとき、2人の共謀犯が警察に捕まってしまいます(現行犯ではありません)。2人をそれぞれの取調室に入れて、調書を取ろうとしますが、2人とも口を割りません。
そこで、取調官は2人に司法取引を持ち掛けます。
ケース1:2人ともこのまま口を割らない場合には2人とも懲役2年
ケース2:どちらかだけ(犯人A)が口を割り、片方(犯人B)が口を割らない場合、自供した犯人Aはその場で釈放。一方、口を割らなかった犯人Bは懲役8年。
ケース3:ケース2の逆。口を割るのが犯人Bで、口を割らないのが犯人A、こちらでは犯人Bがその場で釈放。一方の犯人Aは懲役8年。
ケース4:両方(犯人Aも犯人B)も口を割る場合、両方ともに懲役5年。
難しいので絵にして見ます。
さて、みなさんならどのケースを選びますか???、
これがゲーム理論の基本です。「自分がどのケースを選んだら、相手はどのケースを選んでくるだろうか??」
このゲームでの結果ですが、犯人AもBも、自分のことしか考えられず、即日保釈を夢見て、相手を裏切り、口を割ってしまいます。結局、2人とも5年の懲役を仲良く受けたのでした。
なお、経営学ではこの結果は最初から想定されるものです。これをナッシュ均衡と言います。
また、初期のゲーム理論にはクールノー競争とベルトラン競争の2種類があります。これらに関しては次回以降で説明して行きたいと思っています。