グランディア芳泉とベンチマーキング

2018.10.29

ベンチマーキング:
とは、企業が製品、サービス、プロセス、慣行を継続的に
測定し、優れた優良企業のパフォーマンスと比較・分析する
活動を示す。 特に異業種からの影響を導入する事で競合
他社との差別化を有利にする。

北陸・福井県 あわら温泉にある「グランディア芳泉」さん

代表取締役専務の山口様、女将さん、そして多くの
従業員の皆様に大変お世話になりました。
本当にありがとうございます。
(山口様は下記写真の右から2番目の方です)

この「グランディア芳泉」さんは当たり前のことを当たり前に
実施する事で、在庫を減らし、残業も減らし、でも、給与はアップ
させている凄い会社です。
その秘密を探りに晴洋社長以下5名でベンチマークに行きました。
(決して慰安旅行ではないですからね。)

一度に300名程度の宿泊客を受け入れられる巨大なホテルです。

我々は、山口様のご好意により、別邸、個止吹気亭(ことぶきてい)と言う
もやはスイートルームと言える部屋に泊めて頂きました。
(ちなみに男5人で一部屋ですからね)



さて、グランディア芳泉さんの従業員は113名、利益率も二桁の%を
出しています。それは社員が飛び抜けて優秀なせいではありません。
何より、組織の壁がない事が最大の効果を生み出しています。

言葉を変えると「多能工化」です。

例えばどこの部門の課員でも関係なく、フロント、客の送迎、売店、レストラン
厨房、メンテ、何でも、自分のこととして、足りないところを補って行きます。

普段はメンテの仕事をしている人が、配膳の手伝いをする。
フロントの人が売店でレジを打つ。
宿泊客の動きに合せて、少ない部署に入る。

さて、当社ではどうでしょう?
部門部署で責任転嫁していませんか?
悪いのはどこかの部署とか人のせいにしていませんか?

多能工化すると、仕事にゆとりが生まれより深く出来る様になります。
グランディア芳泉さんはそのゆとりの時間のすべてを品質向上に
振り向けます。

全ては「顧客に対する品質向上のため」

みなさんが大きな旅館に行ったときを想像して下さい。
(修学旅行でもよし)
晩御飯は大きな座敷に予め配膳された冷えた一見豪華料理かと思います。

でも、グランディア芳泉さんのは違います。

厨房は客席の目の前にあり客席についてから目の前で調理してくれます。

つまり、アツアツの料理を楽しむことが出来るのです。
これこそが最大の品質向上であり、求める顧客満足なのです。


(厨房側からみた客席。緑色のTV画面で顧客への料理の進捗が管理されている。
IT装備にて料理の出し忘れがなくなっている)

(客席側から見た厨房、ホール担当者はスマホで各顧客への
料理の進捗を管理している。前記のTV画面と連動)

当社に置き換えるならどうでしょう。
1.多能工化(組立も溶接も切断も塗装も磨きも出荷も設計も何でもやれる)
2.短納期対策(工場毎での残業のバラツキを押さえ、みんなの残業時間も平準化)
3.生産工程計画(誰がどの工場の何をいつ手伝うのかの計画)

これだけ出来れば、残業は間違いなく減り、でも効率は上がり、基本給は
上がるはずです。どの様に給料額を上げるかはこの会社の儲け次第です。

山口様から約2時間のレクチャーを受け、ホテルの現場を見させて
頂きました。 本当に良い勉強になりました。


(差し入れて頂いたお酒「黒龍」美味でした)

(もはや仕事どころでもない)
明日は不二越(Nachi)さんのロボット工場を視察します。

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