やさしい経営学その6です。
新しい戦略を考えるときに使われる手法がフレームワークと呼ばれるものです。フレームワークとはその多くがアメリカから伝わった経営戦略の基本と言われています。
既に古典的経営戦略とも言われていますが、新しい手法の戦略を立案する際にもこれらの基本はやっておく必要があります。 フレームワークは大きく2種類に分類されます。
ひとつめはM.ポーター博士により考案されたSCP理論です。(Sはストラクチャー:業界構造、Cはコンダクト:事業活動、Pはパフォーマンス:業績を意味します)会社の利益は市場を選ぶことで左右されると言うものでした。
代表的なフレームワークとしては、①ファイブフォース(5つの外部からの力)。
②ジェネリック戦略(包括的戦略)「コストリーダーシップ戦略」若しくは「差別化戦略」。
③PEST分析(Pはポリティクス:政治的理由、Eはエコノミー:経済的理由、Sはソサエティ:社会的理由、Tはテクノロジー:技術的理由)
ところがです。多くの人たちが、外部環境分析のみの戦略に対し、研究をしたところ、利益率は産業構造(外部環境)で20%、会社固有の内部環境で80%が説明されると言う結果が出てしまいます。
つまり、市場のせいにしているのは経営、管理部門の言い訳であることがハッキリしちゃった訳です。
そこで、J.B.バーニー博士を中心とした新たな経営理論が登場します。
これが、ふたつめであり、RBV理論と呼ばれるものです。(Rはリソース:社内資源、社員、設備、文化、取引関係等、Bはベース:土台、Vはビュー:見ること、繋げると、社内の資源を土台として、やり方を考えること。てな感じでしょうか)
バーニー先生考案の最大のフレームワークがVRIO(ブリオ)分析と呼ばれるものです。(Vはバリュー:価値、Rはレア度:希少性、Iはインイミタビティ:模倣困難性、Oはオーガニゼーション:組織を示しています)
会社が持っている色々な事象、仕事の方法、管理手法、製品、人材等々それぞれが価値があるか、他社にない希少な(レアな)ものか、他社に真似できないものか、組織的に行われいるかを点数付けし、自社で最も強いものは何かを探すために使うものです。
でも、実は、日本企業の多くは内部分析結果により自社を強くし、良い製品を作れば、売上が上がると言う戦術を取っています。しかしながら、そこに多くの外圧が掛かってきました。①中国等の低コスト製品の台頭、②円高、③人口減少、④後継者不足、⑤不確定外部要素の拡大(今回の新型コロナも含まれます)。
となると、やはり、内部分析だけではダメです。しかし、バーニー先生の外部分析は変化のスピードが速すぎて、分析し終わる前に、環境が変化します。 みなさんが学習した内部と外部分析では上記の様なデメリットが噴出する事態なのです。
どうしたら良いのか分からない。 そんなときに必要なのが前回「仕事は楽しいかね?」でお伝えした「明日は今日と違う自分になる」です。
昨日までのみなさんなら「もう分からない」で終わっていましたよね。でも解決のヒントって意外と世の中の「どこやかしこ」に転がっているんですよ。